橋梁設計技術者の育成と確保に向けて

摘要

東日本大震災後，被災地の復旧•復興を進めるとともに，ハードとソフトの両面から国土強靭化の取組みが進められている.また，笹子トンネルの天井板落下事故により，社会インフラの維持管理の重要性力再認識され，それに伴う事業が進められている.そして，日本の人口減少問題に対応し活力ある国づくりを進めるべく地方創生に向けての取組みが本格化している状況にある.一方，建設業界においては，近年の急激な公共投資の減少や受注競争の激化により，若手技術者が減少し高齢化が進み，技術者の育成•確保が最大の課題となっている.そのような中で，平成26年6月に，公共工事の品質確保の促進に関する法律(以下「品確法」)が改正され，今年4月からは発注関係事務の運用に関する指針(以下，「品確法運用指針」)が施行されている.そのような背景のもと，本稿では，「橋梁設計技術者の育成と確保に向けて」と題して，取り分け筆者が属している建設コンサルタントの技術者に焦点を絞り，その課題と対応，そして魅力ある職業にするための方向性について述ベるものとする.