気仙沼大島大橋の施工

摘要

気仙沼大島大橋は，図-1に示す一般県道大島浪板線（国道45号から大島までの約8.0km)のうち，約2 600人が居住する大島と，本土側の気仙沼市三ノ浜地内を結ぶ橋長356mの鋼中路式アーチ橋（図-2)であり，同形式では東日本最大の橋梁である.本橋の架橋事業は，1967年 の宮城県の県勢発展計画に盛り込まれたが，実際の事業化は約45年後の東北地方太平洋沖地震の後となる.震災直後，唯一の交通手段である船舶の航行が不通となり，長期にわたつて島民が孤立する非常事態に直面した.これを受け，緊急時•救急時の交通手段の確保，島民の日常生活の利便性向上，地域観光の振興を目的に路線の整備が平成23年から進められ，その中核となる本橋が「復興のシンボル」として事業化されたものである.