見合橋歩道拡幅工事の設計と施工

摘要

愛知県の安城市と碧南市の境界に位置する見合橋は，昭和47年に供用開始された片側歩道を有する道路橋である.この見合橋前後の取付け道路は，歩道の有効幅員3.0mが確保されているが，橋での有効幅員は1.0 mしかなく地元住民や地元高校の通学者などが通行しづらい状況となっていた（写真-1).さらに見合橋近隣の公園が開園予定となり，歩道利用者の増加が見込まれたことから，橋の歩道幅員を3.0mへ拡幅する工事を行うこととした(写真-2).歩道の拡幅方法としては，新たに主桁を設け既設床版を延長する案なども考えられたが，下部工の改良 が必要なことや公園開園までのタイムリミットなどの条件により「アルミ床版を用いた歩道拡幅および外ケーブルによる主桁補強」を採用した.外ケーブルによる鋼橋の補強工法は，既往の文献で「設計•施工の手引き」としてまとめられており，近年では補修工事等でも採用されている.ただ，実績としてはまだ少ないため，本稿では既往の文献を参考に進めた設計および補強効果の確認のために実施した現地計測内容を中心に報告する.