炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の次世代自動車への適用の展望

摘要

自動車の軽量化を加速する背景を簡単に振り返るとともに，自動車におけるCFRPの適用の流れを概観した.次に，自動車にCFRPを適用している代表的な事例を紹介し，自動車に適用するCFRPの成形技術の動向を簡単に解説した.続いて，経済産業省が実施している革新的構造材料の研究開発の全体図を俯瞰するとともに，その一部として実施されている熱可塑性CFRPの開発を，特に名古屋大学NCCのプロジェクトの部分に焦点を当てて解説した.技術の核心はLFT-D技術であり，初年度の成果として，その克服すべき技術課題がほぼ明らかになった.それらについて対策を行って，成型条件を改善していったところ，良好な品質の平板や，複雑なウェブ構造をもつ補強構造の成形が可能となった.本年度は，これらをさらに効率的に実施するための設備の改善と，床板構造の成形に挑戦していく.当初5年間の期間に，LFT-D技術を中核として，自動車のボデ一下部構造を模擬した構造の試作を行い，適切な評価試験を実施していく予定である.また，機会があれば，その成果について報告したいと考えている.%Backgrounds of weight reduction in automobile structures are reviewed first. Benchmark models in the aspect of lightweight material applications are identified next. Composite material fabrication technology roadmap for automotive application is Fiber Thermoplastic - Direct) are two major trends for composite car bodies. Activities tackled in National Composites Center Japan founded in Nagoya University are finally introduced.