ウラン資源争奪戦と海水ウラン回収の可能性

摘要

温室効果ガスの削減に向け、原子力発電に対する回帰および新規開発への期待が高まる 中、ウラン資源確保に向けた各国·企業の動きが目立っている。わが国企業もカザフスタ ンなどでウラン資源の新規権益確保に乗り出した。本特集では、ウラン資源の埋蔵量·開 発動向の現状を展望すると同時に、四方を海に囲まれたわが国の利点を生かせる「海水ウ ラン」利用の可能性を探った。 海水ウラン回収技術開発は、原子力委員会がこのほどまとめた報告書「地球温暖化対策 に貢献する原子力の革新的技術開発ロードマップ」で基礎基盤研究の一つとして取り上げ られている。 また、原子力発電開発での日本の将来的なグローバル貢献の上で、海水ウランの実用化 は燃料供給にも道を拓く。この点も展望する。さらに、海水中のウラン以外の資源開発の 可能性について「海の宝庫」も読み解く。