米国の原子力詏備保全における情報システムの役割

摘要

今年1月から施行された新検査制度は、米国の原子 力規制制度を参考に国内の規制を改革することにより、 電気事業者に対して従来からの設備保全実施体制の全 面的な見直しと、設備の運転保守業務面での高度化や 合理化を促し、さらに、継続的な改善努力の定着を期 待するものである。この目論みについては、規制当局 である原子力安全・保安院や、関係する業界団体など により詳細な説明がなされており、その改止の理由と 共に、米国の原子力の現状として、近年非常に高い設 備利用率が維持されていること、また、1990年代から 2000年にかけて着実に向卜した米国民の原子力への支 持率の高さなどが背景として伝えられている。その一 方、国内事業者各社の対応をみると、米国における特 に1980年代から2000年頃までにかけて構築された基 本業務プロセスの改革・改善の部分については、十分 な検討・改善がなされていないのではないかと思われ ろ。