フリース·アンド·モルクーキテクツ

摘要

この円形の平屋の戸建て住宅は、木造の骨組みに、柿板の外装を施して建てられた。これを、パイを切るようにして円形平面を扇形に「切リ分け」てできたのが3翼部である。さらにこの3切れの間にできた隙間をそれぞれテラスにあてれば、全体が円形におさまる。テラス外周には低い塀を巡らして円の輪郭をくっきリと浮かび上がらせつつ、屋外空間を囲い込んで人目を避けている。素材選びにおいては、自然を大いに意識した。まず、外壁の大部分をアカシアの柿板で覆って、ひなびた印象にした。柿板が徐々に枯れた趣を帯びて銀灰色がかってくれば、特注煉瓦の薄灰色とも馴染むだろう。そこへ灰色に塗られた厚板、亜鉛鉄板葺きの屋根、花崗岩敷きのテラスが加わり、全体を温かみのある灰色でまとめ、この住宅を公園の木々の幹と調和させる。柔らかなカーヴを描く外壁には、オークの羽目板でアクセントをつけた。