自然な空気: アックアルキテクタス

摘要

20世紀の後半以降、住宅建築はボタンのオン/オフで人工的な快適さを実現できるようになつてきた。これが人類の制御不能なエネルギーの消費につながり、同時に我々は幾世代にもわたって受け継がれてきた、自分たちの住まいを、外的な状況を受け止め役立てるものとしてきた(その状況を活かす、あるいはその状況から住む人を守る)數智のすベてを見失った。地球はこのエネルギーの浪費に耐えられず、建物の真の質は大きな影響を受けている。加えてこの建築は、人と自然を一体的な近しいものとするのではなく、両者を引き離してきた。ある意味でこうした現実のゆえに、我々は一世紀も前に捨て去つた先人から受け継いできた進化の系譜を改めてとり戻し、欠くことのできない自然とのつながりを再発見しなければならない状況に追い込まれている。この新たな結びつきは、いかなる表面的な贅沢とも無縁の、実体的で本質的な進歩として理解されなければならない。