公営住宅プロジェクト

摘要

口ースによる低所得者用集合住宅の提案は、主に1921年頃に集中した。この計画も、1922年3月にロンドンで行われた講演会のために用意された。4軒の連続住宅は各住戸で異なる構成が採用され、両端はプロポーシヨンや方向性も違っている。基本的に各住戸は、道路に平行して階段が配置され、地下室のない3寝室タイプで、陸屋根に屋上テラスが設けられた。壁面には蔦などの植物が茂るための木製グリッドの常設下地を用意し、自然と一体になることが計画段階から想定されていた。食物を育てる7m幅の菜園と住宅の間にはトイレとテラスを配し、室内と菜園をつなぐ中間領域を演出している。同時に間口4.4mタイプ、5mタイプ、6mタイプとそのヴァリエーシヨン•タイプ、端に位置する変形タイプなどが検討されたが、この計画はそのまま「一枚壁の家」工法(112〜113頁参照）に発展した。