P△効果が木造軸組架構の変形性能に及ぼす影響

摘要

木造建築の安全性を確保して許容可能な変形性能を規定していくため、構造物が倒壊に至る挙動や倒壊要因、倒壊変形を把握することを前提に、静的水平外力に対するP△効果に影響を及ぼす要因を詳細に調べた実験的研究成果である。現象把握のための大変形実験にあたって各部の損傷状態、応力状態を追跡するとともに、これまでの木造建築の実大倒壊実験研究に多く見られる単なる実験結果の分析にとどまらず、実験結果に対して力学にもとづく理論解を提案することによって、木造建築の倒壊現象に汎用性をもたせようとしている点は評価が高い。