中国の建築分野におけるエネルギー消費量の現状と省エネに向けた挑戦

摘要

中国社会科学院が2012年に公表した「社会白書」では、2011年の中国都市部における人口は、農業人口を上回り総人口の50%を超え、都市部への集中が顕著になっている。広大な中国では地域や季節によって寒暖差が大きく、現在、北方地域の都市の約70%(延べ床面積当たり)では地域暖房を行っている。また、都市と農村でェネルギーの消費量は大きく異なる。これは、都市では、主に石炭、電気およびガスを主なエネルギー源としているのに対して農村では、多くの地域において、薪等のバイオマスを使用しているためである。さらに、都市と農村の経済格差が大きく、家電製品の所有率や使用時間に大きな差があることも一因である。