ヨーロッパ中心主義を脱するための海図 70年代から現代へ

摘要

北山 今年のビエンナーレでは、総合ディレクターであるレム·コールハース·マフィアが仕掛けた展示が目立っていました。ヨーロッパ各国館では、商業主義に飲み込まれる前の1950年代のヒューマニズムに焦点を当てていた。そのなかで、70年代を押し出した日本は異質でしたね。太田 まず、メタボリズムや丹下健三を対象とした議論は、日本では出尽くしたと考えたんです。一方で、70～80年代に対するこれまでの理解は、一見奇妙な形の建築に底の浅いレベルで反応していただけでした。例えば私は、石山修武さんが貿易商になっちゃったことにガっンとやられちゃったんですよね。建築探偵団もそうですが、建築家としての行動範囲が閉じていない。若い人にそういうところから刺激を受けてほしかったんです。