土合舎利保育園

摘要

住宅立地が進む地域のニーズにより新設された保育所。一年を通して風の強い日が多く,安定した保育環境が求められた。そこで、コンセプトを"風"としてプロジェクトを進めている。風がまわるイメージとして回遊性をもつ廊下形状とし,かざぐるまの羽根のように各室を配置している。口の字型ブランとすることで穏やかな陽光に満たされる,静的な中庭をつくり出している。これにより大開口の木製建具を採用可能にしており,軒の深いテラスを介して中庭と一体的になる子供のダイニングを実現している。また,外部からの視線を抑えた環境を活かして,大きなガラス張りの明るく楽しいトィレを設けており,かつトイレブースや手洗いは風が舞う様子を見立てている。一方,年齢児が高い保育室に面して築山や芝のトラックがある動的な外庭を設けている。また,構造は大断面集成材による木造平屋建としている。外周に低いひさしをまわしてデッキテラスとし,保育室の開口部を大きくして半屋外的に利用する。保育室や遊戯室は構造体の梁を露出させて木造園舎であることを感じさせながら,ハイサイドライト等で採光•通風を確保して極力機械に頼らない環境づくりに配慮している。