2017年度日本建築学会技術部門設計競技ユニバーサル社会を支える環境技術多様な利用者の安全快適な環境デザインをめざして

摘要

21世紀の成熟社会を真に豊かな社会とするため、誰もが地域-社会の一員と して互いに支え合うなかで安心して暮らし、一人ひ とりが持てる力を発揮して、元気に活躍できるユニバーサル社会 の実現が求められる。これまで、国のバリアフリー新法や地方自治体による福祉のま ちづくり条例などに基づいて、高齢者や障害者に配慮した建築や 都市環境の整備が進展し、加えて、子育て支援やインバウンドに も配慮した安全•快適な環境整備が進みつつある。さらに、2020 年開催の東京ォリンピックやパラリンピックに向けて、より一層 グローバルな、ユニバーサル社会の実現をめざした取組みが期待 される。そのようななか、本設計競技では、子どもや高齢者に配慮した 温熱•空気環境設計、視•聴覚障害者にも優しい音•光環境設計、 外国人にも使いやすい空間設計などをはじめとする、建築環境ェ 学的なアプローチを求める。その視点は、多様な人間の「五感」を 活かした多彩な内容となる。かつ、対象とするものは、日常生活 において使用されるインテリア、住空間から、公共施設、交通施 設、都市環境まで多岐にわたり、身近なモノのレベルからェコロ ジカルな環境づくりにまで関連する。多様な分野のさまざまな研究成果や取組みを踏まえ、会員各位 から、未来のユニバーサル社会の環境整備に資する技術が提案さ れることを期待する。