誰もが住みたくなる、復興モデル住宅を目指せ

摘要

宮城県において、東日本大震災による住宅の被害が全壊82,000棟、半壊129,000棟を数え、今後10年前後で8万棟あまりの住宅の整備が見込まれている。うち、約12,000戸程度の災害公営住宅が計画されており、一日も早い復興が望まれる。災害公営住宅とは、災害により滅失した住宅に居住していたのに対し供給する一種の公営住宅であり、一般の公営住宅との違いは国による補助率、家賃低廉化助成、入居者資格の特例(収入制限がないなど)といった制度上の違いとともに、その建物の性格上、短期大量供給ということ求められる。災害公営住宅を含む、こうした復興住宅は、関東大震災や、戦災復興の例を挙げるまでもなく、市街、村落という規模で建設され、その短期大量供給ゆえにその後の住宅建築のスタンダードを決めるものである。