カーテン形状並びにすくい縫いミシン縫製に関する研究

摘要

著者らの論文はほとんどが両名を共著者とするものであるが，谷祥子氏はカーテン形状の印象評価について本学会誌に6報(通算9報)の研究を報告してきた。素材，生地物性，柄，仕立て条件など多角的にカーテンの印象評価を捉え，一つ一つの要素による影響を明らかにしたものである。これらの成果は市販のカーテンの印象評価にも応用でき，産学連携の研究としても高く評価できる。また，松梨久仁子氏は一貫してすくい縫いミシンによる縫製について研究されており，本学会誌に7報(通算14報)の報告がある。その内容はすくい量，シームの外観，糸消費量，実際製品への応用と多岐にわたっており，すくい縫いのメカニズムを多角的に解明した本研究はすくい縫いミシンの開発にも大きく貢献するものである。両名の研究は消費科学的にも優れた論文であり，論文賞に十分値すると判断される。