性能規定化後に実用化された消防設備の採用事例(2)放射空調設備とスプリンクラー設備の配管兼用システム

摘要

放射空調設備は，一般の対流式の空調設備と比べて搬送動力が少ないため，建物の省エネルギー化を進めるために近年採用されつつある。放射空調設備は，天井内に冷温水用配管を敷設することから，スプリンクラー設備配管との兼用が可能となれば，配管量を削減できるとともに，平常時の作動確認によってスプリンクラー設備の作動信頼性も向上することが期待できる。防災設備と一般の建築設備との兼用は，排煙設備と空調設備のダクトを兼用する例は過去に適用例が複数あり，計画ガイドラインも示されているが，スプリンクラー設備を他の設備と兼用する例はいままでに実現していない。放射空調設備とスプリンクラー設備の横引配管を兼用したシステムを開発するとともに，清水建設本社に適用し，消防法上，特殊消防用設備等として総務大臣認定を取得した。以下に，空調配管兼用スプリンクラーシステムの概要および火災時のシステムの制御方法を示すとともに，機器の耐熱性およびシステム動作の性能確認試験を行い，システムの有効性を確認した結果を紹介する。%Synopsis Dual-purpose sprinkler water piping system which is combined with radiant air conditioning system has been developed. The system is applied to the high-rise office building in Tokyo and certified as the "special fire defense equipment" according to the Fire Service Act of Japan. Heat resistance test of the equipment and system operation test' were carried out As the result of the tests, it is confirmed that the system has the performance which is equivalent to the sprinkler system.