集合住宅の震災時在宅避難のためのトイレの上手な使い方

摘要

巨大地震発生時には，被災者が避難生活を送るために，学校や公民館などが"避難所"に指定されるが，"避難所"は，家屋の焼失や倒壊で住居を失った方が一時的に避難生活を送る場である。耐震性が高く，不燃構造の中•高層マンションは"避難所"への避難の必要性は低いと考えられている。しかし.排水横主管など排水設備が被災し，上階住戸でトイレを使用して1階住戸で排水が溢れたり，断水によつて水洗トイレが洗浄できなかったり，代替水があってもトイレツトペーパーの不足から，水に溶けない紙を使用して配管を詰まらせ，上水道復旧後もトイレが使えないなど被害が拡大することが懸念される。これらの被害を回避するには，居住者が自身の居住するマンションの排水設備の特徴をよく知り，備えておくことが必要である。