コミツショニング導入効果の調査研究: 様々な立場から見たコミッショニング導入効果の分析

摘要

コミツショニング(以下，Cx)は，要求性能の具体化と目標達成に向けたプロセスの適正管理によって，省エネルギー性能を中心とした機能性能の向上や不具合の未然抑制，プロジェクト運営の効率化などの多様な効果が期待されており，近年その採用ケースも徐々に増えるなど，研究段階からビジネス段階への移行の兆しが見え始めている。しかしながら，Cxの普及促進を目指して活動を行っているNPO法人建築設備コミツショニング協会に登録されたコミツショニング事業者(CxF)は8社，性能検証技術者(CxPE)は105人(共に2019年10月時点)に過ぎないなど，関係業界の規模からすると皆無に等しく，Cxがビジネスベースで自律的に普及していくには.依然として有用性の広報を中心とした市場の開拓や，導入課題の克服に向けた検討が必要な段階を脱していない。