数値解析による換気用全熱交換エレメントの性能評価 第3報: 全熱交換エレメントを対象とした臭気物質の交換効率測定と臭気物質移動モデルの提案

摘要

省エネルギー性能を追求するネット•ゼロ•エネルギー.ビル（ZEB)の設計において，主要な空調負荷の一つである換気負荷の削減は重要な課題であり，なかでもトイレや喫煙室などの局所換気における換気負荷の適正化は喫緊の課題である。その一方策である全熱交換形換気システムの採用による換気負荷削減はその有効性が確認されているものの，湿度を交換するその性質上，トイレ等の局所換気設備として導入した場合には水溶性ガス等に起因する臭気移行が懸念されている。本報(第3報)では，全熱交換エレメント内の温度交換効率•ェンタルピ交換効率に加え，臭気物質の交換効率(移行率)に着目し，基礎実験の実施の他，数値解析モデルの構築，モデル定数同定，予測精度検証を実施した。臭気物質の移行率は瓖境相対湿度に依存することを定量的に明らかとした上で，十分な予測精度の数値解析モデルを提案した。