様々な配電エリアにおける太陽光発電大量導入時の余剰電力に関する一検討

摘要

パリ協定への対応として，2030年に温室効果ガス46%削減（2013年比），さらに2050年のカーボンニュートラル実現に向けて，今後，エネルギー利用効率の向上，再エネ導入拡大，CO2回収利用貯留技術の利用，グリーン／ブルー水素の調達など様々な対策が必要になる．2021年5月13日の総合資源エネルギー調査会基本政策分科会における「2050年カーボンニュートラルのシナリオ分析（中間報告）」では様々な対策シナリオが示されたが，いずれも燃料需要からシフトして増加した電力需要を再エネ発電，原子力，CCS付き火力等によって賄うことによるCO2排出削減への期待が大きい．中でも太陽光発電（以下，PV）については年間300～400 TWhの電力供給が期待されており，これを実現するには200～300 GWを導入する必要がある．