婦人科細胞診ASC-US判定の再検討

摘要

ASC-US判定には非腫瘍性変化から腫瘍性病変までのあらゆる可能性が含まれている.ASC-US判定の再現性と精度向上を目的に再検討を行った.細胞像は核腫大が主体で，核周囲のhaloや過角化などの所見が見られ.それらの単一所見か複合所見かでfollow up結果に違いが見られた.消退群は角化傾向や不鮮明なhaloを認め，炎症性変化や化生変化と鑑別が必要であった.継続群は核腫大を伴う萎縮細胞やkoilocytosis様細胞変化が見られ，follow upで同様の細胞が出現する傾向が見られた.進展群は過角化や鮮明なhaloなどの扁平上皮内病変（SIL)を思わせる所見が見られた.ハイリスクHPV検査陽性症例では88.6%でkoilocytosis以上の病変が確認された.非腫瘍性を示唆する細胞所見と，核異型や過角化，haloなどのSILやHPV感染を示唆する細胞所見を注意深く観察して，可能な限り分類するべきと思われる.