半固形化栄養剤を用いた経鼻経管栄養の検討

摘要

経腸栄養法は静脈栄養に比べ生理的な栄養法である.しかしながら，下痢や胃食道逆流等の合併症を生じることも少なくなくその対策が必要となる場合がある.近年，胃瘻に半固形化栄養剤を使用する症例が増えており，胃食道逆流，下痢の改善，リハビリテーション時間の増加等のメリットが挙げられる.当院でも胃瘻患者に半固形化栄養剤の投与を行い患者•医療者側ともにトラブルなく経過している.今回，経鼻経管栄養法において液状経腸栄養剤の投与を行い速度，投与量の調整•薬物療法を考慮したが下痢.嘔吐等の改善を認めなかった11症例に対し，半固形化栄養剤の投与を行ったところ合併症の改善がみられ，栄養管理の質の向上，医療者側の作業負担軽減に繋がった.現在，半固形化栄養剤を用いた経鼻経管栄養法は症例数も少なく,エビデンスに基づいた指標が確立されてはいないが，今後も慎重かつ適切な管理の下，行っていけば大変有効な栄養法と考えられる.