PCU 形桁の長期高低変位測定

摘要

PCU 形桁は、工場製作したプレテンションU 形桁を架設し、場所打ち床板を合成するU コンポ橋である。普通鉄道ではつくばエクスプレス線（常磐新線）1)のほか、成田高速鉄道アクセス線2)に、新幹線では北陸新幹線、富山・稲荷千歳高架橋3)で採用されており、現場作業の省力化による工期短縮や生産性向上が期待される。一方、鉄道では近年、保守を省力化した直結系軌道が普及しているが、軌道を支持する構造物に、軌道に影響を与えるようなクリープ、乾燥収縮、温度変化等による長期的な変形が生じないことを前提としている4)。PCU 形桁は薄肉のPC 構造のため、クリープ・乾燥収縮等による長期的な変位が問題になる可能性があり、今後、新幹線が高速で走行する区間を含めた適用範囲の拡大の可否を検討するためには、長期的な変形についての知見が必要である。そこで、最近、施工したPCU 形桁において、緊張から2 年半程度の高低変位を計測したので報告する。