巨椋池干拓地を遊水地とした場合における宇治川本川の治水効果に関する検討

摘要

淀川流域では，平成25 年の台風18 号では，桂川において越水や溢水が発生し被害が生じている．宇治川・木津川では，近年は大きな水害は発生していないが，漏水が生じるなど，決して安全とは言えない状況にある．宇治川では，昭和28 年台風13 号の大雨による水害では，観月橋の下流約2km の地点で約450m にわたって左岸側の堤防が破堤し，巨椋池干拓地周辺の約2880ha が25 日間浸水する被害が発生している．本研究では，計画高水流量を上回る洪水が宇治川で発生した場合を想定し，田園地帯が広がる巨椋池干拓地を遊水地とした場合の治水効果について，はん濫シミュレーションソフトiRIC 内のNays2DFlood を用いて検討する．