ERG衛星搭載超高エネルギー電子観測装置(XEP-e)

摘要

宇宙空間において放射線が衛星への不具合、宇宙飛行士への被曝へ影響することが知られている。放射線の起源としては太陽放射線、銀河宇宙線、放射線帯がある。ジォスペースにおいての不具合は、放射線帯粒子による影響は非常に大きい。電子放射線帯は空間構造や時間変動、太陽風変動に伴って、変動を起こすことが知られているが、輸送.加速.消失メカニズムについてはまだ解明されていない。ジォスペース探查(ERG)衛星ではこの問題を解明する為、粒子-電磁場•プラズマ波動の同時観測を実施し、放射線帯変動のメカニズムを解明することを目的としている。ERG衛星のプラズマ粒子観測ュニット(PPE)が搭載されており、幅広いエネルギーのイオンと電子を計測できる（図1)。本研究で開発している超エネルギー電子観測装置(XPE-e)は電子観測でエネルギーごとに分かれている4つの観測装置のうち最も高いエネルギーの電子観測を担当している。XEP-eが計測するエネルギ一は400keV~20MeVの電子計測を実施しており、最終的に加速された電子のフラックスの変動を把握する点で非常に重要な役割を担っている。放射線帯のメカニズムが解明されることで、衛星に不具合を与える放射線帯の変動予測がより向上されることが期待される。