ロックフィルダム盛立におけるコア材製造時の新しい品質管理（その１）: 近赤外線水分計による含水比の全量管理

摘要

福岡県で建設中の小石原川ダム（型式；中央コア型ロックフィルダム，諸元；堤高139m，堤頂長553m，堤体積約830 万㎥）では，コア材製造時の課題として細粒材の含水比が高く，コア材のブレンド比（乾燥重量比）が細粒材：粗粒材＝1：2.5 と粗粒材の割合が大きいことから，一般に行われるブルドーザによるストックパイル切崩しだけで均質なコア材が安定供給できるか懸念された．そこで，コア材の均質化を目的にコア材製造過ｐ程でコア材混合設備（SP ミキサ）を導入した．また，コア材の盛立では，含水比と粒度が適切に管理された材料を盛立場へ搬出することが重要であるため，当設備には含水比の変動傾向を監視測定する「近赤外線水分計（写真－1）」ならびに粒度を簡便に測定する「画像粒度解析システム」を備え，堤体への搬出材料の品質を高い頻度で管理している．本報文では，小石原川ダムにおけるコア材製造の概要と当設備のうち近赤外線水分計による含水比管理について紹介する．