乾燥砂路面上のそろばん道路：簡易室内実験による基礎的研究

摘要

積雪凍結路(図 1(a))および未舗装路(図 1(b))上を車両が繰り返し通過すると，タイヤ跡に沿って凹凸状の起伏が路面に自然発生することが確認されている．この凹凸起伏は「そろばん道路」と呼ばれ，多くの科学者から注目を集めている．そろばん道路を走行すると，車体が大きく振動し，道路利用者に不快感を与える．さらに，タイヤのグリップ力を低下させるため，制動不良によるスリップ・スピン事故を引き起こす原因として車両走行の安全性に影響を与えている．冬に路面が雪で覆われている札幌ではそろばん道路が現れる．蟹江ら2)の観測に基づき、積雪凍結路でのそろばん道路は、通常かなりの量の積雪で，0℃から-2℃の温度範囲が提示されたときに発生することが分かった．しかし，そろばん道路の形成機構は未だ解明されていないことが多く，そろばん道路への効果的な対処法は確立されていないため，現在は経験的かつ対処療法的なものに限られている．