高速道路詳細点検における技術者育成と技術伝承

摘要

笹子トンネル天井板落下事故を受け、緊急点検・集中点検の実施により、第三者被害防止の観点から最低限の安全性を確認し、緊急的な対策は既に実施されている。また、事故の発生を契機として、インフラの老朽化を改めて認識し、高速道路資産の長期的保全へ向け維持管理サイクルを確実かつ効率的効果的に実施する重要性を再認識した。サイクルを確実に回す中で、道路詳細点検は、構造物の現状や損傷度、健全性を把握するために必要欠くべかざる業務である。要素技術の進歩により、機械化、高度化、効率化が図られつつあるものの、専門技術者による観測、判断が、重要であることは否定できない。高速道路の点検業務を担う、筆者の所属会社では、技術者の育成や、技術伝承のために、いくつかの取り組みを行っている。本稿では、それらの取り組みの一端を報告する。