Co過剰型Fe-Co磁歪積層材を用いた磁歪式ァクチユエータ特性の評価

摘要

近年，省エネルギーの観点から，再生可能エネルギーが注目されており，自然'環境中にわずかに存在する微 小なエネルギーを回収して電力に変換するエナジーハーべスティング技術の研究が盛んに行われている".ェ ナジ一ハーべスティング技術を利用することで，自立的に稼働する電池不要なセンサの構築が期待される.エネ ルギーハーべスティング材料として有望な圧電セラミックスは，脆く，また，絶縁体であるため，圧電複合材料の開発が盛んに進められ，例えば振動や温度変化で生じる電圧•電力について検討が行われている一方, 磁歪材料を利用した振動発電も注目されている.磁歪材料は，磁場を印加すると，材料に歪みが生じ，また，外部からの荷重により磁ィヒを変化させることが可能である.従来の磁歪材料(Terfenol-D， Galfenol)は，高コス ト，機械的特性が問題視されていることから，高キュリー温度，高飽和磁化，高強度であるFe-Co合金が最近注 目されている.従来の磁歪材料と比べ，Fe-Co合金は，磁歪量が少ないが，適切な熱処理を施すことで高磁歪化 を発現する.また，Fe-Co合金は，高強度，延性，優れた加工性を示し，振動発M能をもった積層材 も開発されている.しかしながら，磁歪式ァクチユエータの特性を評価した学術的な研究調査は少ない. 本研究では，Fe-Co合金と異種材を積層した材料を用いて，磁歪式ァクチユエータの特性について検討した.