潤滑油を含浸させた焼結材料を用いた自己潤滑機構を持つ歯車の潤滑解析

摘要

焼結材料はジャーナルベアリングなどの機械要素に広く用いられている.焼結材は製造過程でその密度に応じ た多孔質構造を持ち，空隙率が一定以上で空隙同士が連結している場合，潤滑剤のような流体が焼結材内を流動 することができる.ジャーナルベアリングではこの多孔質構造を利用し自己潤滑機構を実現している(2).自己潤 滑機構とは焼結材内に含浸させた潤滑油を荷重や温度により湧出させ接触部に供給し潤滑する機構である.多孔 質材を用いた自己潤滑機構は機械要素だけでなくヒトなどの哺乳類の関節にも見ることができ，その摩擦係数はほとんどの工業用軸受に比べて1/10程度にもなる.