疲労限度を挟んだ二段変動応力振幅下におけるNi基超合金錶造材の疲労き裂進展挙動

摘要

Ni基超合金铸造材は耐熱性に優れ，航空機エンジン，発電用蒸気タービン，過給機などのタービン翼に使用さ れている.タービン翼のような回転体には，出力変動にともなう回転数の変化により，変動応力が作用する.こ の変動応力には，疲労限度以下の小さな応力が多数含まれることが多い.従来の製品設計では，修正Miner則を 用いた有限寿命設計が主流であるが，疲労限度以下の応力を多数含む場合，過度に安全側での寿命設計となる可 能性がある.また，疲労限度以下では疲労損傷が蓄積しないものとすると，危険側での寿命設計となる.既往の 研究より，炭素鋼S35Cでは疲労限度を挟んだ二段多重変動応力下において，疲労限度以下の応力でもき裂進展 が生じることが確認され，疲労寿命に与える影響が明らかにされているそのため，Ni基超合金铸造材を疲労 限度を挟んだ変動荷重下で使用する場合には，疲労限度以下でのき裂進展の有無を把握することが重要となる.