曲線状繊維束を用いた有孔積層平板の孔周縁部補強形状の最適設計

摘要

炭素繊維強化プラスティック（CFRP ： Carbon Fiber Reinforced Plastic)は高い比剛性，比強度であることから航 空宇宙産業等において利用が拡大している.近年生産技術の発展により繊維の牽引方向を連続的に変化させ，曲 線状強化繊維を持つ繊維強化材の作成が可能となった.曲線状強化繊維は特定の力学条件において直線状繊維よ りも優れた力学特性を示すことが知られている機械構造物にはボルト接合や窓，整備点検のために多くの孔 が存在している.孑し周辺部では応力集中により強度が低下するため板厚を増して補強する必要があるが，その分 重量が増え，CFRPの持つ軽量というメリットと相反するため補強量は最小限であることが望まれる.そこで本 報ではCFRP有孔平板の孑し周辺部を効率的に強化する曲線状繊維補強形状の最適化を行い，得られた形状をもと に供試体を作成し引張試験により孑し周縁部のひずみ集中を計測し、部分補強の効果を評価した.