高分子一金属複合膜における水素透過膜の温度依存性

摘要

現在，化石燃料による環境への影響や資源の枯渴から，クリーンなエネルギ源としての水素エネルギが注目されている.しかし，普及している水素の貯蔵，輸送方法である高圧ガスと液体水素は，35-70 Mpaほどの高い圧 力,または，およそ一250°Cの極低温状態が必要であり，エネルギロスが課題となっている.そこで，エネルギ ロスを解消するため，水素吸蔵材料などの水素キャリアと呼ばれる水素を含hだ物質で貯蔵，輸送し，水素を消 費する直前で水素を生成する方法が提案されている.その中でもアンモニア（NH3)は，貯蔵，輸送，水素への 変換が容易であり，分子内に炭素を含まないため二酸ィ匕炭素を排出しない特徴から水素キャリアとして注目され ている.さらに，NH3の重量^<素密度は17.8 wt%であるとされ，これは，優れた水素キャリアとされるアンモ 二アポラン（NH_3BH_3 ：19.6 wt%)やLiBH_3 (18.5 wt%)に次ぐ値である.