大気圧誘電体バリア放電プラズマ照射に対する種皮の機能

摘要

種子の表面を覆う種皮は、胚と胚乳を保護する機能とともに、外界とのフィルターの役目を果rnたす。近年、種子へのプラズマ照射による成長促進効果が報告され、プラズマの農業応用としてrn注目を集めている。筆者らは、大気圧空気誘電体バリア放電プラズマを照射した種子が、発rn芽から収穫まで育成状態を改善することを明らかにした[3]。加えて種皮の電子スピン共鳴分光rn(ESR)を用いて、プラズマ照射後、種子内部の有機物質関連のラジカル量が変化することを明らかrnにした。今回は、ESR を用いて、プラズマ照射におrnける種皮の働きについて調べた結果を報告する。本研rn究では、照射対象として生育期間が短いカイワレダイrnコン(Raphanus sativus L.)の種子を用いた。種子へのプrnラズマ照射には、スケーラブル誘電体バリア放電装置rnを用いた[3]。用いたガスは空気であり、放電電力密rn度は3 W/cm2 である。電極と種子の距離を3 mm としrnた。プラズマ照射した種子の各部位のESR スペクトrnルを図１に示す。種子内の有機物質関連のラジカルをrn示すg=2.03 のピークの信号強度は、種皮・胚乳で大きく、胚では小さい。一方、過去の実験で、rn胚へのプラズマ照射が成長に最も影響を与えることを明らかにしている。以上のことは、 種皮をrn通過し胚へ到達したプラズマ由来の活性酸素窒素種(RONS)が成長促進に重要であることを示しrnている。講演では、プラズマ照射効果と種皮に含まれる色素の関係も含め議論する。