低硫黄·高芳香族舶用燃料による燃焼トラブルの可能性と対策研究

摘要

2020年からの舶用燃料の硫黄分0.5%規制に対して，石油業界では低硫黄燃料を生産する様々な方法が検討されている.北米などFCCプラントの多い地域では，その副産物であるライトサイクル油（LCO)や，その残渣であるクラリファイドオイル（CLO)などの低硫黄成分が多用されると予想される.これらは高芳香族であり安定性に寄与する反面，特に多環芳香族が主成分であるCLOでは燃焼性の問題が懸念される.本研究では，2000年頃に北米でバンカーされた低硫黄•高芳香族燃料で発生した機関トラブルを復習し，また最新の燃焼可視化研究も盛り込んで，芳香族基材と噴霧火炎の燃焼特性の因果関係の探求を試行する.