買い手の評価を考慮した管理限界の最適化

摘要

本研究では出荷検査において測定の不確かさを考慮した、製品特性を検査したときの基準となる値である管理限界値の最適化手法を提案する。ここでは規格限界値Tに対する管理限界値Aの設計が議論される。JIS Z 8403:1996での機能限界に対する許容差の設計とはその目的が異なる。検査により出荷される製品の品質が向上し、買い手の評価が高まり、価格が上昇する。一方で、検査に伴って生産コストが増大する。本研究では、この両者を考慮に入れ、検査システムの経済学的な観点での最適化（生産者の利潤の最大化)を目指す。