招待講演交番磁気力顕微鏡を用いた磁気記録媒体の 磁化遷移領域の高分解能磁気ィメージング

摘要

磁気力顕微鏡において,磁気記録媒体は顕微鏡開発当初からの観察対象であり,高密度磁気記録媒体を構成する5 nm程度の磁性結晶粒サイズに起因するnmオーダーのジグザク形状の磁化反転境界の検出が,磁気力顕微鏡の空間分解能の究極的な目標となり得る.本研究では筆者の研究グループが開発した,これまで困難であつた試料表面近傍での磁場勾配の単独検出を可能にすることで空間分解能を向上させた交番磁気力顕微鏡(Alternating Magnetic Force Microscopy;A-MFM)と高感度•Fe系非晶質高磁歪ソフト磁性探針を用いて,磁性結晶粒径程度のジグザク状の磁化反転境界の観察に成功した.