ICD 2020参加報告

摘要

IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers:米国電気電子学会)のDEIS(Dielectrics and Electrical Insulation Society:誘電体と絶縁材料部門)主催による第3回誘電体に関する国際会議3rd IEEE International Conference on Dielectrics:通称ICD 2020)がCovid 19の影響により2020年7月6日～31日、オンライン形式で開催された。筆者もこの会議に出席したので、以下にこの会議の概要を述べる。なお、当初、この会議は、7月6日～9日に、スペインのバレンシアで開催される予定であった。しかし、3月末ごろにCovid 19の拡大が報告されると、筆者も委員を務めるInternational Advisory Committeeのメンバー間では、スペインにおいて対面で実施すべきかどうかの議論が、メールで頻繁に交わされるようになつた。現在であれば、対面での実施などは議論の候補にも挙がらないであろうが、当時はまだ、感染拡大の兆候が見えるくらいの状態で、6月ぐらいには、収まっているのではないかとの見通しも根強く残っており、対面での準備を進めるべきだとの意見も少なからずあった。この後、リモートで実施すべきだという意見が固まった後は、Zoomなどを使ったリアルタイムの講演を実施すベきという意見もあったが、その当時はまだ、Zoomを用いた会議などが一般的ではなかったこともあり、また、世界の時差も考慮して、結局は、音声入りのスライドを、期間を延長して、サイトに置いて、それを視聴するという実施形態になった。当時の状況を思えば、仕方がないことであつたと思うが、参加者にとっては、国際会議が実施されているとの実感が湧かず、何となく低調な印象は否めなかったが、その後の、コロナ禍における国際会議実施方法を検討する上では、大いに参考になった会議であつたと思われる。