小規模組込みシステムにおけるデータ設計手法

摘要

近年，組込みシステムにおけるS/W は，度重なる機能追加により規模増大・複雑化の一途を辿っている．1 チップマイコン上で動作する小規模組込み機器も例外ではなく，生産性の向上が急務となっている．特に，アセンブリ言語プログラミングの時代から徐々に拡大してきた小規模組込み機器のS/W は，一重の制御ループで構成されるシングルループ構造をベースに流用開発を積み重ねた結果，関数と多くの外部変数(以降，グローバルデータ)が複雑に絡み合った構造となっている(図1)．そのため，新機種開発では，仕様変更に伴う影響度分析工数が全体の2 割を占める場合もある．