7 人制ラグビーにおける最適キックパスプレー算出法

摘要

近年，日本でのラグビーへの注目度が高まってきている．ただし，そのルールの複雑さから，新たなファンの獲得やファンの固定化のため，試合の流れなどを理解しやすくする付加情報の提示が重要になってきている．このような背景の下，著者らのグループは，7 人制ラグビーを対象として最適トライルート算出法[1]，および，それにハンドパスプレーを考慮した最適攻撃プレー算出法[2]-[4]の研究を進めてきた．しかし，その中では，ランプレーとハンドパスプレーは考慮されているものの，近年，頻繁に用いられるようになってきているキックプレーが考慮されていなかった．そこで，著者らは，これまでにキックパスプレーシミュレーション法を提案してきた[5][6]．また，その中では，平均捕球位置を用いた暫定的なキックパスプレー最適化問題を考え，暫定的な最適的キックパスプレーを算出する方法を提案してきた[6]．本稿では，これをより現実的なものへと発展させるため，捕球後のランプレーまで考慮した最適キックパスプレー算出法を提案する．また，仮想的フォーメーション例を用いて，その初期的検証を行う．