評価支援型プログラミング教育ツールの開発

摘要

2018 年の経済産業省による報告では、日本においてIT人材不足は深刻なレベルとなっており、2025 年には約43万人が不足すると試算されている。そこで、日本において本格的なプログラミング教育が2020 年度の小学校から、順番に2021 年度には中学校、2022 年度には高等学校と開始される。小学校では「総合的な学習の時間」に学ぶべき内容の1 つとして、中学校では技術分野の1 分野として、高等学校においては高等学校教諭免許上「情報」があり、専門性の高い教員はいるが、小学校、中学校、では専門教員はおらず、高等学校においては絶対的に生徒数に対して専門性の高い教員数が不足している現状がある。また、今回のプログラミング教育の主題といってよいプログラミング的思考を身に付けるためには、前記したようにプログラミングを1 つの教科として学ぶのは高等学校からであり、学ぶ事にかける時間の確保が少ない現状にあることは簡単に想像ができると思われる。私はこのプログラミング的思考を身に着けるためには、FIT2020[1]においてプログラミングに多く触れて経験を積むことが重要な要素であるという報告を行った。現状を踏まえて、この経験を得る時間を確保するためには家庭学習が重要であると考えたが、現状では家庭学習で体系的に学び、その学びを教員が把握する方法は確立されていない。そこで、本研究ではプログラミング教育の主題であるプログラミング的思考を誰もが学ぶことを家庭学習でも可能とする事と、プログラミングにかけた経験値を教員などが把握することを可能とするツールの開発を目指した。