複数音の協和性を表現可能な特徴量を用いたCNN-LSTM コード進行推定法

摘要

楽曲信号からのコード進行推定[1] は, 国際音楽情報検索学会1が開催するコンテスト:MIREX2で取り扱われている重要な課題である. コード(和音) は非常に抽象的な概念であるため, その推定は困難である. 困難さの要因は主に３つあると考えられ, それらを図1 のような例を用いて説明する. 1 つ目は推定区間によっては,図下部に示す正解とは異なるコードが観測される点である. 図中(A) 部では正解のDm ではなくコードＦが見える. ２つ目は図中(B) のように, 正解のコード構成音に無い音(経過音) が含まれる点である. 最後に図中(C) のようにコードの部分的構成音のみで演奏されうる点. したがって, コード進行推定は区間分割とその区間でのコードを同時に推定する課題であると言える.