柔道けhこう体操の転倒予防動作訓練効果の検証に関する考察

摘要

現在，介護を必要としている要介護者の方たちの中で，骨折や転倒が原因となった方は要介護者の12％を占めている[1]。これは，原因としては認知症，脳血管疾患に続き，三番目に多いのが現状である。近年，高齢者の健康を維持する体操や転倒を予防するための体操は多く存在している。本研究では，柔の型を利用して考案された「柔道けhこう体操」について取り上げる。人は躓いた際，とっさの反応で片足を踏み出し転倒を回避するが，この動作が，柔道の基本動作と一致する点があるため高齢者の転倒予防に効果が期待できるとされている[2][3]。しかし，これらの健康体操は指導者の経験則に基づいているものが多く，体操の効果が不明である。以上より，「柔道けhこう体操」の転倒予防への効果を工学的に検証することを目的とする。