プラグインLDVを用いたエンジン筒内流動の計測

摘要

実機の筒内流動を計測する手法としては，熱線流速計やプラグタイプのLDVプローブを適用した例が報告されている．プラグタイプの流速計測センサを用いることで，可視化エンジンのように実機に大きな変更を加えることなく，流速の計測が可能となり，ポート形状やピストン形状がプラグ近傍の流動に及ぼす影響や，プラグ近傍の流動の気筒間差の評価などが可能となる．しかし，M12サイズに小型化されたプラグで放電電極を有して燃焼場に適用できるLDV計測の例はこれまでなかった．電極を有しない非燃焼用のプローブはプラグ径のサイズにて光学系を構成でき，耐熱への要求は高くないが，非燃焼のモータリング時の流動評価に限定される．燃焼が可能な電極を有したプラグインプローブでは，光学系がプラグ径よりの半分以下の径サイズにしなければならないこと，燃焼時の温度，振動に耐える必要があることから，製作上の難易度は非常に高くなる．本研究では，実機エンジンへの適用を前提に，非燃焼，燃焼時の筒内流動計測が可能な放電電極を有したM12プラグイン型のLDVプローブの開発を行った．本報告では，開発したプラグインLDVプローブでの計測結果の検証を行うため，定常流およびエンジンモータリング時の計測を行い，市販のΦ14 LDVプローブによる計測結果と比較検証を行った．