世界トップクラスの衝撃強度を有するバイオプラスチックの開発

摘要

自動車業界では燃費向上（主に軽量化）対策として，樹脂材料が積極的に使用されている．とりわけ，当社の主力製品のドアトリムに代表される自動車内装材部品にはPP（ポリプロピレン）が，インテークマニホールドに代表されるパワートレーン関連部品にはPA（ポリアミド）が多用されており，これらの樹脂材料は全て石油由来の原料から製造されている．石油の使用量は年々増え続け，このままでは50年程度で枯渇すると言われている．従って，この先，埋蔵量の減少により石油価格が高騰することは容易に察しが付く．これに対し，植物由来樹脂は，いわゆるカーボンニュートラルを実現する材料と考えられており，石油由来の樹脂材料に比べ，CO_2排出量を大幅に削減でき，地球温暖化対策の一端を担う材料と考えられている．また植物由来樹脂を使用することで石油原料への価格抑止力になるのではといった期待も持たれている.