再帰補正による非線形歪除去を用いた超低周波音再生技術開発

摘要

超低周波音の影響を実験的に検証する際，オーディオ機器を用いた超低周波音の再生が想定されるが，一般にスピーカやヘッドホンは大音圧を保持する場合再生周波数が低くなるにつれて高調波歪を主とした非線形歪が増大するため，正確に再生することができない．そこで今回，加藤らの提案する“再帰補正による非線形歪除去”（以下，本手法と呼ぶ）を適用し，非線形歪なく大音圧の超低周波音を再生する技術開発に取り組hだ．本稿では第一に，本手法の原理解説，および15Hz純音へ適用した結果から，非線形歪が低減することを示す．第二に，補正した15Hz純音の知覚閾値を測定し，本手法により非線形歪成分が知覚閾値以下まで低減できていることを示す．