鉄道用高周波トランスの軽量化と銅損低減のための磁性テープ巻平角アルミニウム巻線の検討

摘要

鉄道，自動車，航空機などの輸送機器で用いられている磁気部品の小型・軽量化，高効率化への要求は極めて高い。磁気部品の小型・軽量化には駆動周波数の高周波化が有効である。ワイドギャップ半導体であるSiC-FET の登場により鉄道車両用電源システムの駆動周波数は高周波化し，磁気部品の大幅な軽量化が可能となった。さらなる軽量化の手法として巻線にアルミニウムを用いることが検討されている。しかし，アルミニウムは銅と比較して，電気抵抗率が1.6倍大きいために直流銅損が増加する。高周波磁気部品の交流銅損は，直流銅損と表皮・近接効果に起因する銅損の和であり，高周波駆動に伴って，直流銅損よりも表皮・近接効果に起因する銅損が支配的となる。したがって，軽量化，低損失化の両立のためには表皮・近接効果の抑制が必要である。