地上テレビジョン放送高度化方式の伝送特性評価: Bit-Interleaved Coded Modulation の固定受信特性

摘要

固定受信向けの4K・8K 放送サービス，および移動受信向けの2K 放送サービスを地上波の1 チャンネルで同時に実現するため，筆者らは地上テレビジョン放送高度化方式（以下，高度化方式）の研究開発を進めている．これまでに，計算機シミュレーション，高度化方式を実装した変復調器を用いた室内実験および野外実験により，高度化方式の伝送特性の評価を行ってきた．今回，高度化方式のBit-Interleaved Coded Modulation の全組合せ（キャリア変調方式と誤り訂正符号の符号化率）について，固定受信環境における伝送特性を計算機シミュレーションで評価した．また，現行の地上テレビジョン放送の運用パラメータの所要C/N 付近となる6 つの組合せについて，伝送特性を室内実験で検証した．マルチパス環境において，符号化率が高い組合せの伝送特性の劣化が大きくなるが，D/U が10 dB のマルチパス環境における劣化量は1 dB 以下となることを確認した．