Tabu Search とBhattacharyya パラメータを用いたPolar 符号探索法

摘要

Polar 符号は，情報を送信する情報ビットチャネルと，情報を送信しない凍結ビットチャネルで構成され，その符号特性は，情報ビットチャネルと凍結ビットチャネルを選択する組み合わせで決まる．Polar 符号構成法に，Genetic Algorithm (GA) を用いたPolar 符号構成法がある．この手法は，Polar 符号構成を遺伝子とみなし，GA によって復号特性が改善するような符号構成を探索する．シミュレーションによって得られる誤り率を遺伝子の評価に使用しているため，復号器や通信路を変更することで，任意の復号器やチャネルに適用可能である．この手法の問題点として，ランダムに初期集団を生成したとき，良い復号特性を示す符号の探索に多くの反復が必要なことが挙げられる．また，初期集団の生成にBhattachayya パラメータを使用した符号構成法を用いた手法がある．この手法は，GAの反復の初期段階から優秀な符号が得られるが，局所解に収束することがある．一方，局所解脱出の能力に優れ，組み合わせ最適化問題に使用できる手法にTabu Search (TS) がある．本稿では，Bhattacharyya パラメータとTS を用いたPolar 符号探索法を提案する．計算機シミュレーションにより，従来のGA を用いた符号構成法と比較して，提案法は局所解を脱出し，良い復号特性を持つ符号を探索できることを示す．